2009年10月13日火曜日

瀬田「びわこ板倉の家」完成

約1年かかりで、完成しました。最初に来られた時は去年の8月初旬でした。


このような家を探されるキッカケはあの有名な秋田建設さんの無添加住宅(現在はフランチャイズで全国で展開)の完成見学会で聞いた事がホンマもんの家の勉強を始めたキッカケだそうで、最終的に「びわこ板倉の家」を検討されたことは、大変ありがたいと実感した事を今でも思い出します。

自然光だけで昼間生活できるエコハウスです。実際の自然光だけで写真を撮ったのですが明るい空間が施主さま依頼でした。


「板倉の家」は杉の四寸角(12cm×12cm)の柱に1寸(3cm)の厚みの杉板を落し込みます、当然梁桁・土台にも落し込んでいるため、伝統構法の無理のない先人の匠の知恵を現行の建築基準をクリアできる、国産杉材(徳島すぎ)の無垢材だけでつくる家です。  板倉の家はこんな家



10年以上にわたり、どうすれば石油系の素材(コーキング材・etc)を使用せずに家をつくる事を考えてきましたが、これが結構奥が深いのと色々と勉強したり現場で実際に古い建物や気候風土で変わる施工方法は伝統的な本来の地産地消的な考えで「家づくり」を考えていかなければならないと感じはじめました。


一般的なハウスメーカーさんや工務店さんはどんな形でも地形に合わせて施工できますが「売り」ですが、「びわこ板倉の家」の考え方は現代の住宅の区画割の大きさから基本は四間(7280)×四間(7280)が基本で総延べ面積100㎡(30坪)を基準に間取りのプランを考えていきます。当然間取りを優先し過ぎると、色々な問題が出てきますのでできるだけ複雑な施工はしないのが原則です。

「びわこ板倉の家」は伝統構法ですが、10月から始まった住宅瑕疵保険の加入も3条申請の特約を了承されてから施工に移ります。

出来る限り、石油製品を使用しないのがこの家のつくり方なので、どうしてもこのような申請をしなければならないのは寂しい事です。

3条申請の施工にあたり除外する項目は、第9条1項(防水紙)、4項(開口部シーリング)、第10条1項(乾式仕上げの場合の通気構法)でこの部分に関しては施工しないのでこれを承認して頂きます。つまり、伝統構法の雨漏りは保険の対象外として認めてもらいます。これは伝統的な真壁造りなどを採用した住宅で、工法の性質上、外壁への雨漏りが起こりやすいと保険人が判断したケースは保険に加入できますが保険金は支払われない。この部分に関しては保険加入時に重要事項説明で説明させて頂きます。

現在の「びわこ板倉の家」の仕様で外壁からの雨漏りは確認されていません。換気口のベンドキャップからゲリラ豪雨で雨が入った事は最近ありましたが壁からはありません。


外壁の仕様によっては(真壁仕様)、雨漏れの心配がありますので採用される場合説明して頂きます。



基本的な外観スタイル

杉焼板(杉材)・ホタテ漆・金属:全て土に返る素材または循環可能な素材

 これが結構ありそうで限定されてくるのです。新建材は原則的に使用しません新建材は将来処分できない事を想定しています。

切り妻の家・正方形に近い家(このお家は正方形で真ん中に24cm角の大黒柱)

 建物のバランスが良く耐震性が高く、シンプルなので維持管理がし易く高寿命

屋根:ガルバニウム瓦棒・軒の出(水平距離で90cm出します)
 一般的な雨の降り方では90cmの3倍=2.7m鉛直下の付近から雨が外壁にあたります。その1割(27cm)を上方向へ長く焼き杉板を貼れば雨は躯体にはかかりません。これに気づくのに滋賀県内や他の地域の建物を観察して見つけ出した私の理屈です。

青空から曇天に急変しました。



玄関ポーチも全て、天然石です。

色合いは奥様からイメージの色(暖色系=赤系)でパラストーン ローザ色です。



普段はドアを開け放しはないので、外のイメージは奥様の希望でパラストーンで内玄関は御影石の磨きで、ご主人の希望で、ドアなのであえて統一しなくていいとアドバイス。

しかし、違和感が無いようにポーチに少し変わった.


玄関に入るとこんな感じ。框は桜の無垢でそのままの形です。


内玄関左には2階のパイプシャフトを利用して簡易下駄箱を作りました。ここは暖簾で仕切って物置にできるように設計しています。




玄関ホールからリビングを見た状態。木の家は輻射熱を利用した薪ストーブが一般的な手法ですが今回は輻射暖房である温水パネルヒーター(窓下の白いモノ)を採用です。



絵本がたくさんあるので本棚も5台製作。右のスペースにはピアノが設置される予定。



結構明るいでしょ・・・


キッチン側はこんな感じ。


ダイニングテーブル付近はこんな感じ・・・


大黒柱の横に階段があります。階段横のスペースは設計時は絵本コーナーでしたが、たくさんあるのと絵本は大きさがまちまちで収納できないので、コンパクトな書斎に変身。














キッチンはタイルとホタテ漆喰で仕上げます。キッチンの上部はガルバニウムの板を貼り掃除がし易くしています。


階段も全て杉無垢材です。手摺は京都市北区の北山杉の磨き丸太です。これは白くてツルツルが売りで数奇屋造りに使用される材料で、今度は床柱を板倉の家に使用する予定です。




階段横の障子窓は脱衣場にも採光がとれるようになってます。




階段右にキッチンスペース内のストックスペースがあります。ここも暖簾で仕切る設計です。






ダイニングテーブルは2分割できます。キャスター付きで容易にスタイルを使い勝手にて変更できます。

T形にするとこんな感じ。




ストレートにするとこんな感じ。



設備機器はトイレを除き全てノーリツ製でまとめました。ほとんど施主さまはステンレスの金属系がマッチするのでこんな感じです。


キッチン後ろ側の杉の収納棚です。集成材ではなく、全て徳島すぎの無垢板です。


鏡は愛川タイルさんの製作の世界に1枚の鏡です。皮付きの桧を上手く額縁にしてあります。この方がキッチンのタイル・玄関の石貼り・玄関桜の框を担当してくれています。朽木に木の工房もあり、本当の木好きです。コストを考えたら製作できないような一品があります。凄く手間がかかる味のある一品をお任せで作ってくれます。


このお風呂が唯一の石油製品の固まりですが、水仕舞いやコストを考えるとユニットバスはいい物です。がコーキングや新建材の臭いはとても違和感があります。


お風呂場から見た感じですが、明るいでしょ。

洗面所の後ろは、洗濯物入れのスペースをつくり棚などの収納も兼ねています。


脱衣場とウォークインクローゼットと繋がっていまして、これが完成見学会では好評でした。しかし暖簾で仕切る仕様なのでお風呂から上がったところにタオル掛け兼温水ヒーターを設置。






先ほど階段で説明した障子窓を脱衣場から見たらこんな位置関係です。タオル掛けヒーターの反対(右側)に上の写真のウォークインクローゼットがこんな感じになってます。押入れの中段とハンガー掛け付きの枕棚をづらして設置すると、左側の枕棚の下に玄関入ってすぐコートと上着が掛けられます。
この中段と枕棚は桐製です。ハンカチや数珠を引き出しに入れられるのでとても便利です。



ウォークインクローゼットから玄関を見るとこんな感じです。窓が小さいので隣が建って一番暗い部屋ですが、物置なのでご勘弁を・・・


ウォークインクロゼットは階段下にありましてここも途中でクローゼット内の物置スペースに変更しました。溝がつけてあるのは棚が差し込めるように前もって施工してありますが、施主さまの工夫にお任せします。


玄関ホールからウォークインクローゼットを見ればこんな感じ。


1Fトイレの片引き戸です。玄関ドアを閉めると玄関ホールが暗いのでトイレの窓から採光できるように建具の窓も大きくとりました。


1Fトイレはこんな感じです。トイレはINAXのサティスです。


左側が洗面と洗濯機の間のスペースのワゴンで、取っ手にタオルを掛けるように製作。

右側は洗濯物籠を置くワゴンです。両方ともキャスター付きでとても軽く動きます。


フラッシュをたくと色がきれいです。


キッチンの端から大黒柱を見るとこんな感じです。これがやはりどこにいても見られる事が存在感があって、昔の人は上手く言ったもんだ。今の家は大黒柱が見えないのでお父さんの威厳が無くなったと思えるのは、実際私が感じるのは実体験からです。

こちらの写真は説明がなければ分からないアングルですが、ダイニングテーブルの上にトップライトが設置してあり、この窓は開閉が可能なので夏場はここを開ければ、熱気が戸外へ放出され気圧の差で勝手に自然風が室内に入ってくる設計になっています。何気ない施工方法なのですこれが夏場有効になってくるので、来年の夏のコメントが楽しみです。自然の採光はホントにここちいい光です。

こちらは、階段上のトップライトでここでは自然採光をとるために設置しました。

2Fからダイニング方向へ階段を撮るとこんな感じです。



今度は同じ位置から、2Fのフリースペースを撮るとこんな感じ。子供さん達はこれを見ると、目の色が変わります。

2Fのほうが、窓も多く自然の光で十分だと思うのは私だけでしょうか?

ベランダの手摺も採光と採風が取れる工夫がしています。ここは洗濯物を干すので目隠しと風通しがいいようにと考えました。


間仕切りが無く将来間取りが可変できるように、配線関係は全て4部屋想定で全て分けてあるので子供さんが大きくなってプライベートな空間にできるようになってます。

フリースペースは、ロフトになっていまして、ご主人のコミック本千冊を収納するらいいですが、まさに大人が喜ぶ、小さい頃遊んだ基地みたいな感覚で使ってもらえたらいいのですが・・・この部分は賛否が分かれます。ここへ三歳前後の子供さんが一人で上がれるか上がれないで施工をプラスする判断をしますが、案外大丈夫で問題ないです。


大黒柱左側のロフトです。


大黒柱左から2Fトイレ上ロフトです。

大黒柱の付近のロフトです。

大黒柱右ロフトです。

ロフトから2Fを見下ろすとこんな感じです。


ロフトの上はこんな感じ。


左奥が2Fトイレ上のロフトです。

将来、梁を入れればロフトのスペースの拡張は容易に出来ます。



ダイニングの上のロフトのトップライト下から見ればこんな感じです。

フラッシュ無しで撮影しても暗くは無いです。


2F吹き抜けの手摺は浮造り仕様のパネルで現物はもっと凹凸感があります。
2Fの大黒柱はフリースペースか良く見えます。
2Fの渡り廊下みたいな子供室に入る片引き戸です。
まだお子さんが小さいので、寝室との仕切りはありませんが仕切れるように、照明やコンセントは全て分けてあります。




先ほどのロフトは趣味部屋みたいな活用をしてもらうようなってますが、エコハウスの考えは滋賀で北西から北よりの風が1年中吹きますから北側をクローゼットや押入れをつくるのですが、板倉の家はあえてそのようなスペースはロフトへ上げるようにして、採風をとる事を考えています。このようなロフトが勝手反対で2ヵ所でクローゼットとして活用して頂きます。
ロフト下部は障子窓(和紙貼り)なので、閉めていても空気は動きます。




板倉の家は躯体が全て見えているスケルトンなので電気配線が隠蔽できないのであえて露出で碍子を使用して配線していますが、年配の方や男性には好評ですが奥様はあまり反響が無いのが少し気になる所です。



曇ってきましたが、明るさは問題ないです。

障子窓の左で間仕切りをすれば部屋として分離できるようになってます。

子供室から見たフリースペース。
渡り廊下からは右は大黒柱が鎮座し、左を見下ろせばダイニングが見えます。



ベランダの中はこんな感じです。
階段上の碍子引き配線です。この施工ですると電磁波が碍子の周辺は下がってます。これは絶縁体なので高温で焼成されたモノほど電磁波対策になると思います。
2Fのトイレです。ここはタンク式です。私はこのカットが結構好きです。

左下に見えるのがミニ書斎で急遽変更になりました。ここもスペース的に狭いのですが、基地的な感覚で使用できるので、ダイニングに居ながらネットや読書を家族の団欒を感じながら自分の空間ができるいい場所です。
お施主さまへ、理想の家づくりは、ご自分で採点されて何点だったでしょうか?
これだけはハッキリ言える事があります。
長年この業界で家を建ててきましたが、完璧な家・理想の家は簡単にできるようで出来ないようです。しかし、思考錯誤でこの業界を生きてきて「板倉の家」のつくり方は色々と壁にぶち当たってこの家にたどりつきました。この家は林業家~製材屋~プレカット~運送屋~現場施工のみなさんの思いが詰まってます。簡単にコストを下げて大量に施工する事もハッキリ言って出来ませんが、家づくりの思いだけは、どんな家よりも「熱い人」達でつくられいます。あえてお客様に合す事はさけ本当にこの家にたどりついた方に本当の家に住んでもらいたい為、頑張っています。
下手なコマーシャルをするより、実際に住んでおられる方の実感がこの家の素晴らしさや快適さを倍増させているのだと思います。
これから、板倉の家が日本で手がけられることが増えてくると思いますが、現在材料を供給してもらっている中千木材(有)さんのグループは20年前に材料つくりから、本腰を入れて10年ほど前から「板倉の家」の施工が始まりました、今までの蓄積された、含水率の品質や材料のストック量は他地域では真似の出来ないような技術的な部分になっています。
国産杉材の大量消費につながりまさに循環型の家づくりとなります。
本当の家は後世が認めてくれる事で当然私達がこの世に存在しない後の話しである。なぜ私が伝統構法にたどりついたのは、自然に逆らわない、循環型の家が一番エコだと思うからである。
完成おめでとうございました。無事怪我も無く現場を進めさせて頂き誠にありがとうございました。